1. はじめに:座席管理ツール導入のハードル
フリーアドレスの導入を検討していると、多くの企業が直面するのが「どうやって座席を管理するか」という問題です。
高機能な座席管理システムは確かに便利ですが、導入にあたっていくつかのハードルがあります。
- 初期費用や月額費用がかかる
- システムの使い方を覚える学習コストがある
- 自社のオフィスレイアウトに合わせるカスタマイズが難しい
- IT部門の協力が必要な場合がある
特に中小企業や、まずは小さく始めてみたいという企業にとって、これらのハードルは大きな障壁になりがちです。
そこで注目したいのがExcel
ほとんどのビジネスパーソンが使い慣れているExcel。このExcelを使って、自由に座席レイアウトを設計できるとしたらどうでしょうか?
FreeAddressは、Excelファイル1つで座席設計から社員登録まで完結できる座席管理システムです。この記事では、Excelを使った座席設計の方法とそのメリットを詳しく解説します。
2. FreeAddressのExcel座席設計の特徴
3シート構造でシンプル
FreeAddressのExcelファイルは、たった3つのシートで構成されています。
| シート名 | 役割 | 設定内容 |
|---|---|---|
| view | 座席レイアウト | セルに座席番号を配置して、視覚的にレイアウトを設計 |
| seat | 座席マスタ | 各座席の詳細設定(固定席指定、備考など) |
| member | 社員マスタ | 社員情報(社員コード、名前、内線番号など) |
視覚的にレイアウト設計(viewシート)
最大の特徴は、Excelのセル配置がそのまま座席の物理的な配置になることです。
実際のオフィスを見ながら、対応するセルに座席番号を入力するだけ。通路や柱の位置は空白のままにしておけば、自然とオフィスレイアウトが再現できます。
viewシートの例:オフィスレイアウト
| A | B | C | D | E | F | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | A01 | A02 | B01 | B02 | B03 | |
| 2 | A03 | A04 | B04 | B05 | B06 | |
| 3 | ||||||
| 4 | C01 | C02 | C03 | C04 |
※空白セル=通路・柱などの空間、緑色セル=座席
既存の社員データを活用可能
社員名簿をExcelで管理している企業は多いはず。FreeAddressなら、既存のExcelデータをコピー&ペーストするだけで社員情報を登録できます。わざわざ一人ひとり入力する必要はありません。
3. 3つのシートの役割を理解しよう
viewシート:座席配置を視覚的に設計
セルの位置=座席の物理的な位置。Excelで見たままがシステムの座席表になります。
viewシートでは、座席番号を任意のセルに配置します。座席番号は「A01」「B02」のように、英数字3桁程度で設定するのが一般的です。
- 座席番号は自由に命名可能(A01、B02、窓側01など)
- 空白セルは通路や障害物として認識
- セルの結合は使用しない
seatシート:座席ごとの詳細設定
seatシートの構造
| seatid | mid | biko1 | biko2 | biko3 |
|---|---|---|---|---|
| A01 | 窓側 | 電源あり | ||
| A02 | MGR001 | 固定席 | 部長席 | |
| B01 | 集中エリア |
- seatid:座席番号(viewシートと同じもの)
- mid:固定席にする場合、社員コードを入力(空欄ならフリーアドレス)
- biko1〜3:備考欄(自由に使用可能)
備考欄には「窓側」「電源あり」「モニターあり」「静かなエリア」など、座席の特徴を記入しておくと便利です。
memberシート:社員情報を一括管理
memberシートの構造
| mid | name | kana | phone | seat_range | biko1 |
|---|---|---|---|---|---|
| EMP001 | 山田太郎 | ヤマダタロウ | 1234 | 営業部 | |
| EMP002 | 鈴木花子 | スズキハナコ | 1235 | A | 開発部 |
| MGR001 | 田中一郎 | タナカイチロウ | 1001 | 部長 |
- mid:社員コード(抽選時に入力する識別子)
- name:社員名
- kana:カナ(名前順ソート用)
- phone:内線番号
- seat_range:利用可能な座席範囲(例:「A」と入力すると、A01〜A04のみ抽選対象)
- biko1〜3:備考欄(部署名など自由に使用)
seat_rangeを設定すると、その社員は指定した文字で始まる座席のみが抽選対象になります。部署ごとにエリアを分けたい場合に便利です。
4. Excelで座席設計する5つのメリット
特別なソフトが不要
Excelさえあれば、すぐに座席設計を始められます。新しいソフトのインストールや、アカウント登録の手間がありません。
既存のExcelスキルで対応可能
セルに文字を入力するだけの簡単操作。特別なトレーニングは必要ありません。総務部門の誰でもすぐに運用できます。
コピー&ペーストで大量データ登録
既存の社員名簿からコピペするだけで、一括登録が完了。100人、200人規模でも手間いらずです。
変更が簡単
レイアウト変更もセルを編集するだけ。島を追加したり、座席数を増やしたりするのも数分で完了します。
バックアップが取りやすい
Excelファイルをコピーするだけでバックアップ完了。変更前の状態に戻したいときも安心です。
5. 実際の活用例
例1:フロア全体の座席マップ作成
オフィスフロア全体を1つのviewシートで表現できます。複数の島やミーティングスペースの位置関係も、セル配置で直感的に設計できます。
フロア全体のレイアウト例
| A | B | C | D | E | F | G | H | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | A01 | A02 | B01 | B02 | 会議室 | |||
| 2 | A03 | A04 | B03 | B04 | ||||
| 3 | 通路 | 通路 | ||||||
| 4 | C01 | C02 | C03 | C04 | D01 | D02 | ||
例2:島ごとのゾーニング設定
座席番号の先頭文字を島ごとに統一することで、自然とゾーニングができます。
- Aエリア:営業部(A01〜A10)
- Bエリア:開発部(B01〜B15)
- Cエリア:管理部(C01〜C08)
memberシートのseat_rangeに「A」「B」「C」と設定すれば、各部署のメンバーは自分のエリア内でのみ抽選されます。
例3:固定席とフリー席の混在
役員や部長は固定席、一般社員はフリーアドレスという運用も簡単です。
seatシートのmid列に社員コードを入力すると、その座席は固定席になります。空欄のままならフリーアドレス用の座席として抽選対象になります。
例4:部署ごとの座席範囲制限
「開発部は集中エリアのみ使用可能」「営業部は電話ブースに近いエリアのみ」といった制限も、seat_rangeで簡単に設定できます。
6. まとめ
FreeAddressのExcel座席設計機能を使えば、
- 視覚的に:セル配置=座席配置で直感的に設計
- 簡単に:特別なソフト不要、Excelスキルだけで対応
- 柔軟に:固定席・フリー席の混在、ゾーニングも自由自在
- 効率的に:既存データのコピペで一括登録
といったメリットを享受しながら、フリーアドレス環境を構築できます。
「高機能な有料システムを導入するほどではないけれど、きちんと座席管理はしたい」そんな企業にぴったりのソリューションです。